【大阪・関西万博】お年寄りでも楽しめる?ゆっくり休める8つの休憩スポットや参加できるイベントを紹介

2025年4月13日から10月13日まで開催される大阪・関西万博。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、世界中から多くの人が訪れる一大イベントです。しかし、お年寄りの方々にとって、広大な会場内を歩き回るのは体力的に不安があるかもしれません。「休む場所はあるの?」「車椅子でも楽しめる?」「長時間歩くのが心配…」そんな不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、大阪・関西万博をお年寄りの方々が快適に楽しむための情報をお届けします。会場内の休憩スポットや、バリアフリー対応、アクセス方法など、知っておくと便利な情報が満載です。ぜひ最後までご覧ください。
大阪・関西万博はお年寄りにも優しい設計になっている

大阪・関西万博は、「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマのもと、誰もが参加できるイベントを目指しています。主催者である日本国際博覧会協会は、高齢者や障がい者の方々も快適に過ごせるよう、会場全体をバリアフリー設計にしています。
高齢者の86%が「万博に行きたい」と回答した調査結果
関西イノベーションセンター(MUIC関西)が実施した調査によると、高齢者の86%が「大阪・関西万博に行きたい」と回答しています。この数字は、お年寄りの方々の万博への関心の高さを示しています。
多くの高齢者が興味を持っている理由として、「新しい技術や未来社会を自分の目で見てみたい」「1970年の大阪万博の思い出があり、今回も体験したい」といった声が挙げられています。また、「家族や孫と一緒に楽しい思い出を作りたい」という意見も多く、世代を超えた交流の場としても期待されています。
参考資料

バリアフリー対応で誰もが楽しめる会場づくり
大阪・関西万博の会場は、高齢者や障がい者の方々も安心して楽しめるよう、さまざまなバリアフリー対応が施されています。
まず、会場内の通路は車椅子でも移動しやすいよう、段差を極力なくし、スロープを設置。また、エレベーターも各所に配置され、車椅子利用者や歩行が困難な方でも上下階への移動がスムーズにできるようになっています。
トイレについても、車椅子対応のバリアフリートイレが会場内の各エリアに設置されています。さらに、オストメイト対応のトイレも用意されており、さまざまな身体状況の方に配慮されています。
サイン表示も大きく見やすいデザインになっており、色弱の方にも識別しやすい配色が採用されています。また、点字表示や音声案内も充実しており、視覚障がいのある方も安心して移動できるよう工夫されています。
ただし、当初発表されたユニバーサルデザインガイドラインについては、障がい者の意見が十分に反映されていないという指摘があり、見直しが行われました。例えば、エレベーターの標準収容人数は当初11人以上(車椅子利用者1人を想定)とされていましたが、東京オリンピック・パラリンピックの基準(17人以上、複数の車椅子利用者を想定)を参考に見直されています。
このように、大阪・関西万博は「誰もが楽しめる万博」を目指して、会場のバリアフリー化に力を入れています。お年寄りの方々も、安心して訪れることができるでしょう。
お年寄りがゆっくり休める8つの休憩スポット

長時間の滞在になる万博会場では、適度に休憩を取ることが大切です。特にお年寄りの方は、疲れを感じる前に休むことで、一日を通して快適に過ごすことができます。会場内には様々な休憩スポットが設けられていますので、ぜひ活用しましょう。
東ゲートゾーンの休憩施設
東ゲートゾーンは、大阪メトロ中央線の夢洲駅から直結しており、多くの来場者が最初に訪れるエリアです。このエリアには、広々とした休憩スペースが設けられています。
特に注目すべきは、「折り鶴フォーライフ」プロジェクトによって装飾された休憩エリアです。このプロジェクトは、認知症の方や高齢者が中心となって折った約5万羽の折り鶴が、休憩エリアの壁面を彩っています。
休憩エリアには、ゆったりとしたソファや椅子が配置され、足を伸ばしてリラックスできるスペースとなっています。また、空調も完備されており、暑い夏場や肌寒い日でも快適に過ごせます。
東ゲートゾーンの休憩施設は、会場入口に近いため、入場してすぐに休憩したい方や、帰り際に少し休んでから帰路につきたい方に便利です。また、トイレも隣接しており、アクセスしやすい点も魅力です。
静けさの森ゾーンの個室休憩所
会場の中央部に位置する「静けさの森ゾーン」には、より静かでプライベートな空間を求める方のための個室休憩所が設けられています。
この休憩所の特徴は、周囲の喧騒から離れ、静かな環境でゆっくりと休むことができる点です。個室タイプの休憩スペースは、疲れを感じたときや、少し横になりたいときに最適です。
また、このエリアには「カームダウンエリア」と呼ばれる特別なスペースも設置されています。これは、感覚過敏の方や、静かな環境を必要とする方のために設けられた空間で、音や光を抑えた落ち着ける環境が整えられています。
静けさの森ゾーンの個室休憩所は、予約制となっている場合もありますので、利用を希望する場合は事前に確認することをおすすめします。
西ゲートゾーンの休憩スペース
西ゲートゾーンは、大阪湾に面したエリアで、美しい海の景色を楽しみながら休憩できるスポットがあります。
このエリアの休憩スペースは、開放的な設計になっており、海風を感じながらリラックスできる環境です。ベンチやテーブルが配置され、軽食を取りながら休憩することも可能です。
また、西ゲートゾーンには、屋根付きの休憩エリアも設けられており、雨天時や強い日差しの日でも快適に過ごせます。周辺には飲食店も多く、食事と休憩を兼ねて利用するのもおすすめです。
西ゲートゾーンの休憩スペースは、夕方になると夕日が美しく見えるスポットでもあります。一日の観覧を終えた後、美しい夕景を眺めながらゆっくりと休むのも良いでしょう。
これらの休憩スポットは、会場内を巡る際の「基地」として活用すると便利です。あらかじめ休憩場所を把握しておき、疲れを感じたらすぐに休めるよう計画を立てておくと良いでしょう。また、混雑時には休憩スペースが満席になることもありますので、時間帯によっては少し待つ必要があるかもしれません。
参考記事

高齢者や障がい者向けの特別サービス
大阪・関西万博では、高齢者や障がい者の方々が快適に過ごせるよう、様々な特別サービスが用意されています。これらのサービスを活用することで、より安心して万博を楽しむことができるでしょう。
アクセシビリティセンターの便利な貸出サービス

会場内には「アクセシビリティセンター」と呼ばれる施設が設置されています。ここでは、高齢者や障がい者、妊婦の方など、特別な配慮が必要な方々へのサポートサービスが提供されています。
アクセシビリティセンターでは、車椅子の貸出サービスが行われています。会場内は広いため、普段は車椅子を使用していない方でも、長時間の歩行に不安がある場合は利用を検討してみるとよいでしょう。
また、杖や歩行器などの歩行補助具の貸出も行っています。足腰に不安のある方は、これらの補助具を借りることで、より安全に会場内を移動することができます。
さらに、聴覚障がい者向けには、音声を文字に変換する機器の貸出や、手話通訳サービスも提供されています。視覚障がい者向けには、点字マップや音声ガイドの貸出も行われています。
これらのサービスは基本的に無料で利用できますが、一部のサービスは事前予約が必要な場合もあります。利用を希望する場合は、公式ウェブサイトで最新情報を確認するか、当日アクセシビリティセンターで問い合わせるとよいでしょう。
落ち着けるスペース「カームダウンエリア」の活用法
前述した「カームダウンエリア」は、感覚過敏の方や、静かな環境を必要とする方のために設けられた特別なスペースです。このエリアの活用法について、もう少し詳しく見ていきましょう。
カームダウンエリアは、音や光、人の動きなどの刺激を抑えた環境が整えられています。周囲の喧騒から離れ、静かな空間でリラックスすることができます。
このエリアは、認知症の方や自閉症スペクトラムの方など、環境の変化に敏感な方々にとって、とても重要な休息の場となります。また、単純に静かな環境で休みたい高齢者の方にも適しています。
カームダウンエリア内には、リクライニングチェアや、横になれるスペースも用意されています。また、スタッフも常駐しており、体調が優れない場合などはすぐに対応してもらえます。
利用方法は簡単で、アクセシビリティセンターで申し込むか、会場内のスタッフに声をかけるだけです。混雑状況によっては少し待つ必要がある場合もありますが、体調不良の方は優先的に利用できるシステムになっています。
これらの特別サービスは、「誰もが楽しめる万博」を実現するための重要な取り組みです。必要に応じて積極的に活用し、快適な万博体験を実現しましょう。
万博会場へのアクセス方法と注意点

大阪・関西万博の会場である夢洲(ゆめしま)へのアクセス方法はいくつかありますが、高齢者の方が快適に移動するためのポイントをご紹介します。
公共交通機関を利用する場合
公共交通機関を利用する場合、最も便利なのは大阪メトロ中央線です。2025年1月19日に開業した夢洲駅は、万博会場に直結しており、最もスムーズにアクセスできます。
大阪の主要エリアからのアクセス方法と所要時間、料金を表にまとめました。
出発地 | アクセス方法 | 所要時間 | 料金(大人) |
---|---|---|---|
大阪梅田 | 大阪メトロ(1回乗換) | 約40分 | 430円 |
なんば | 大阪メトロ(1回乗換) | 約35分 | 430円 |
新大阪 | JR+大阪メトロ(2回乗換) | 約30分 | 570円 |
関西国際空港 | エクスポシャトルバス(直行) | 約60分 | 1,500円 |
伊丹空港 | エクスポシャトルバス(直行) | 約45分 | 1,200円 |
高齢者の方にとって、乗り換えは体力的な負担になることがあります。特に小さなお子さんや高齢者と一緒に訪れる場合は、乗り換えが少ないルートを選ぶことをおすすめします。
例えば、新大阪駅や大阪梅田からは「エクスポシャトルバス」という直行バスが運行されています。座席が確保されているため、立ち続ける心配がなく、乗り換えの手間もないので、体力的な負担が少なくて済みます。ただし、事前予約が必要で、料金も電車より高めに設定されています。
エクスポシャトルバスを予約するには、「KANSAI MaaS」アプリをダウンロードし、「エクスポ交通情報」ウェブサイトから予約する必要があります。座席数に限りがあるため、早めの予約をおすすめします。
また、JRを利用する場合は、JAPAN RAIL PASSが使えるルートもあります。海外からの訪問者で、JAPAN RAIL PASSを持っている方は、JR桜島線を利用して桜島駅まで行き、そこからエクスポシャトルバスに乗るルートがお得です。
夢洲障がい者用駐車場の利用条件
自家用車でのアクセスを考えている方は、「夢洲アクセシブル駐車場」の利用を検討してみてください。これは、身体障がい者や移動に配慮が必要な方のために、夢洲会場に隣接して設けられた専用駐車場です。
夢洲アクセシブル駐車場を利用するには、事前予約が必須となっています。予約方法は公式ウェブサイトで確認できますが、一般的には障がい者手帳の提示が必要です。
また、一般の方が自家用車で訪れる場合は、舞洲、尼崎、堺のエクスポP&R駐車場を利用することになります。これらの駐車場から会場までは、シャトルバスで移動します。こちらも事前予約制で、日付、時間、人数を指定して予約する必要があります。
駐車場の料金は、日によって変動する「ダイナミックプライシング」が導入されています。混雑が予想される日は料金が高くなる傾向がありますので、事前に確認しておくとよいでしょう。
なお、INTEX大阪の駐車場は、万博期間中(2025年4月14日〜10月13日)はINTEX大阪の来場者専用となり、万博来場者は利用できませんのでご注意ください。
車種 | 料金 | 障がい者割引 |
---|---|---|
乗用車 | 2,000円 | 1,000円 |
大型車 | 2,500円 | – |
バイク | 500円 | – |
これらの情報を参考に、ご自身の体力や状況に合わせた最適なアクセス方法を選んでください。特に高齢者の方は、乗り換えの少ないルートや、座席が確保されている交通手段を選ぶことで、より快適に移動することができるでしょう。
お年寄りも参加できる万博の楽しみ方
大阪・関西万博は、単に見て回るだけでなく、様々な形で参加することができます。お年寄りの方々も、自分のペースで楽しめる参加型のアクティビティがたくさん用意されています。
「折り鶴」プロジェクトで万博に参加
大阪・関西万博では、「折り鶴フォーライフ」という特別なプロジェクトが実施されています。このプロジェクトは、認知症の方や高齢者の方々が中心となって折った約5万羽の折り鶴が、東ゲートゾーンの休憩エリアを彩るというものです。
折り鶴を折ることは、指先を使う作業であり、脳の活性化にもつながります。また、自分が折った鶴が万博会場に飾られることで、直接会場に行けない方でも万博に参加した実感を得ることができます。
このプロジェクトに参加するには、お住まいの地域の福祉施設や老人ホームなどで実施されている折り鶴ワークショップに参加する方法があります。また、個人で折った鶴を指定の送付先に送ることでも参加可能です。
折り鶴プロジェクトは、「行こう。あきらめていた人と。」をコンセプトに掲げるユニバーサルツーリズムプロジェクト「Let’s EXPO」の一環として実施されています。身体的な理由で万博に行くことが難しい方々も、このようなプロジェクトを通じて万博に参加することができるのです。
ゆめ伴(とも)プロジェクトin門真実行委員会
オンラインでも楽しめるバーチャル体験
大阪・関西万博では、実際に会場に足を運ばなくても楽しめるバーチャル体験も用意されています。これは、インターネットを通じて万博の様子を自宅から体験できるサービスです。
バーチャル体験では、会場内の360度パノラマ映像を見ることができ、まるで実際に会場内を歩いているような感覚を味わえます。また、各パビリオンの展示内容もオンラインで閲覧可能です。
特に移動が困難なお年寄りの方々にとって、このバーチャル体験は万博を楽しむ貴重な機会となります。自宅のパソコンやタブレット、スマートフォンなどから簡単にアクセスできるため、技術に不慣れな方でも家族のサポートがあれば楽しむことができます。
バーチャル体験を利用するには、大阪・関西万博の公式ウェブサイトにアクセスするか、専用のアプリをダウンロードする必要があります。利用方法については、万博開催前に詳細が公開される予定です。
このように、大阪・関西万博は、実際に会場に足を運ぶだけでなく、さまざまな形で参加できる工夫がなされています。お年寄りの方々も、自分の体力や状況に合わせた方法で万博を楽しむことができるでしょう。
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まとめ:誰もが楽しめる大阪・関西万博
大阪・関西万博は、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、誰もが楽しめるイベントを目指しています。お年寄りの方々も、会場内の充実した休憩スポットや、バリアフリー対応、特別サービスなどを活用することで、快適に万博を楽しむことができます。
調査によると、高齢者の86%が「万博に行きたい」と回答しており、関心の高さがうかがえます。一方で、体力面での不安や移動の困難さから「実際には行けないと思う」と感じている方も多いようです。しかし、この記事でご紹介したように、会場内には様々な配慮がなされており、また直接会場に行かなくても参加できる方法も用意されています。
大阪・関西万博は、55年ぶりに大阪で開催される国際的なイベントです。この貴重な機会に、ぜひご自身の体力や状況に合わせた方法で参加してみてはいかがでしょうか。誰もが輝く未来社会を体感できる素晴らしい経験になるはずです。
参考サイト:日本赤十字社
参考サイト:【万博】大阪・関西万博会場での入場券やバリアフリーについて
万博のチケットについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。合わせてチェックしてみてください!

