大阪・関西万博の会場内は全面禁煙!会場外の喫煙所2箇所はどこにある?

2025年4月13日に開幕する大阪・関西万博。世界中から多くの人が訪れるこのイベントですが、会場内は全面禁煙となっています。タバコを吸う方にとって、「万博に行きたいけど、喫煙所はあるの?」という疑問は切実なものでしょう。
実は、万博会場内には一切喫煙所が設けられておらず、会場外の限られた場所にのみ喫煙スペースが用意されています。しかも、その数はわずか2カ所。1日最大22万人もの来場者が予想される中、喫煙者にとっては厳しい状況と言えるでしょう。
この記事では、大阪・関西万博における喫煙事情について詳しく解説します。会場内が全面禁煙となった背景や、実際に喫煙できる場所、さらには大阪市全体で進む路上喫煙禁止の取り組みについても紹介します。万博を訪れる予定の喫煙者の方は、ぜひ参考にしてください。
大阪・関西万博の会場内は全面禁煙
万博入場するまでの流れの途中で喫煙所を発見。どうやら入ってしまうと喫煙所がないらしい…#万博テストラン pic.twitter.com/6OmPLf7kER
— アイアンバード『看板等の屋外広告物の行政書士』 (@sturdy_ironbird) April 6, 2025
大阪・関西万博の会場となる大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)は、全面禁煙となっています。これは、日本国際博覧会協会が受動喫煙防止のため、来場者の禁止行為に関する規約で「場内での喫煙」を明記したことによるものです。
会場内のどこを探しても喫煙所はなく、電子タバコや加熱式タバコなども含め、あらゆる形態の喫煙が禁止されています。これは、万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」に沿った決定と言えるでしょう。
万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」と禁煙の関係
大阪・関西万博は「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げています。このテーマには、健康で持続可能な社会を目指すという意味が込められています。
松井一郎前大阪市長も「世界的に受動喫煙が大きな問題となっており、万博の開催理念に照らせば、全市域で路上喫煙を禁止することが時代の要請でもあります」と述べていました。健康を重視する万博のイメージを守るためにも、会場内の全面禁煙は必然的な選択だったと言えるでしょう。
万博では「健康」を重要なキーワードとして位置づけており、受動喫煙による健康被害を防止するという観点からも、会場内での喫煙は認められていません。世界中から訪れる多様な人々が快適に過ごせる環境を整えることが優先されているのです。
受動喫煙防止対策としての全面禁煙
受動喫煙防止は、近年の日本社会で重要な課題となっています。2020年4月に全面施行された改正健康増進法では、飲食店やオフィスなどの屋内を原則禁煙とし、喫煙は指定の喫煙場所でのみ認められるようになりました。
大阪・関西万博での全面禁煙は、この流れをさらに推し進めるものと言えます。特に国際的なイベントである万博では、世界各国から様々な人が訪れます。子どもや妊婦、喫煙に敏感な人など、多様な来場者が安心して楽しめる環境を整えることが重要なのです。
また、万博会場は混雑が予想されるため、たとえ一部に喫煙所を設けたとしても、その周辺での受動喫煙を完全に防ぐことは難しいでしょう。そのため、会場内を全面禁煙とすることで、受動喫煙のリスクを根本から排除する方針が取られています。
会場外に設置される喫煙所は?東ゲートに行こう!

万博会場内は全面禁煙ですが、喫煙者への配慮として会場の外に喫煙所が設置されています。ただし、その数はわずか2カ所のみ。1日最大22万人の来場者に対して十分とは言えない状況です。
東ゲート付近の2か所の喫煙所
大阪万博、東ゲートの喫煙所は再入場ゲートでてすぐにあるので一回入って再入場ゲートで出て喫煙所行くと良いです。 pic.twitter.com/VJaQEAMyUt
— Kitakata (@teapotvoctok) April 5, 2025
万博協会によると、喫煙所は東西2か所ある入場ゲートのうち、大阪メトロ中央線の夢洲駅に近い東ゲート付近に設けられています。広さは約200平方メートルと約150平方メートルで、利用者は一度に計約400人を想定しているとのことです。
東ゲート付近に設置された喫煙所は、会場を出てから利用することになります。つまり、会場内で喫煙したくなった場合は、一度会場を出て喫煙所まで移動し、喫煙後に再入場する必要があります。再入場の手続きが必要になるため、時間に余裕を持って行動することをおすすめします。
喫煙所の規模と収容人数
東ゲート付近に設置された2カ所の喫煙所の詳細は以下の通りです。
喫煙所の場所 | 広さ | 収容人数 |
---|---|---|
東ゲート付近① | 約200平方メートル | 約250人 |
東ゲート付近② | 約150平方メートル | 約150人 |
合計 | 約350平方メートル | 約400人 |
これらの喫煙所は完全に囲われた構造になっており、タバコの煙や臭いが外に漏れないよう設計されています。これは、喫煙所の周辺を通行する非喫煙者への配慮でもあります。
しかし、1日最大22万人の来場者が予想される中、一度に400人しか利用できない喫煙所では、混雑は避けられないでしょう。特に昼食後や休憩時間など、喫煙者が集中する時間帯には長い待ち時間が発生する可能性があります。
喫煙所設置の課題
大阪関西万博で話題の喫煙所です!200㎡250名収容で場所は東ゲートを出たところのコインロッカーコーナーの奥😀 pic.twitter.com/awjM9vHeLL
— 茨木童子 (@gogmba) April 5, 2025
万博会場における喫煙所の設置には、いくつかの課題があります。特に、喫煙所の数が少ないことによる「喫煙所難民」の発生が懸念されています。
1日最大22万人の来場者に対する喫煙所の不足
大阪・関西万博では、1日の来場者数が最大で22万人に達すると予想されています。日本の喫煙率が約15%程度であることを考えると、来場者のうち約3万人が喫煙者である可能性があります。
しかし、会場外に設置された喫煙所の収容人数は合計で約400人。これは明らかに不足していると言わざるを得ません。過去の大規模イベントでも同様の問題が発生しており、例えば2019年のラグビーワールドカップの東京会場では、来場者4万人に対して大型喫煙所を2カ所設けたものの、エリア外での喫煙も見られたとされています。
喫煙所が不足すると、長時間の待ち時間が発生するだけでなく、イライラした喫煙者が禁止されている場所で喫煙してしまうリスクも高まります。これは、万博の理念に反するだけでなく、他の来場者にとっても不快な体験となるでしょう。
西ゲート付近での喫煙所設置断念の理由
当初は東西両方のゲート付近に喫煙所を設置する計画もあったようですが、西ゲート付近での設置は断念されました。その理由は、西ゲート付近が廃棄物を埋め立てたエリアであり、可燃性のメタンガスが発生しやすいためです。実際、建設工事中に爆発事故も起きていました。
火気を使用するタバコと可燃性ガスの組み合わせは非常に危険です。安全面を考慮した結果、西ゲート付近への喫煙所設置は見送られたのです。これにより、シャトルバスが発着する西ゲートから入場する喫煙者は、喫煙のためには東ゲート付近まで移動するか、会場を出て別の場所で喫煙する必要があります。
西ゲートを利用する喫煙者にとっては不便な状況ですが、安全を最優先した結果と言えるでしょう。万博会場は広大であり、西ゲートから東ゲートまでの移動には相当な時間がかかることも予想されます。喫煙者の方は、この点を考慮して行動計画を立てることをおすすめします。
大阪市全域での路上喫煙禁止への取り組み
大阪・関西万博の開催に合わせて、大阪市では市内全域での路上喫煙禁止に向けた取り組みが進められています。これは、万博を契機に国際観光都市としての大阪のイメージアップを図るとともに、市民や観光客の安心・安全で快適な生活環境を確保するための施策です。
2025年1月からの路上喫煙全面禁止
大阪市では、2025年1月27日から市内全域での路上喫煙が禁止されました。これまでは、御堂筋・梅田・難波など市内6つのエリアのみが路上喫煙禁止地区に指定されていましたが、万博の開催に合わせて禁止区域が市内全域に拡大されたのです。
この禁止措置は、道路や広場、公園などの公共の場所だけでなく、駅前広場などの公共性が高く人通りの多い場所では、私有地や私道であっても適用されます。また、これまでは「火のついたたばこ(いわゆる紙巻たばこ)」のみが規制の対象でしたが、新たに「加熱式たばこ」も対象に加えられました。
路上喫煙禁止に違反した場合は、1,000円の過料が徴収されます。これは決して安い金額ではなく、万博期間中は取り締まりも強化されることが予想されるため、喫煙者は十分に注意する必要があるでしょう。
喫煙所整備への補助金制度
大阪市では、市内全域での路上喫煙禁止に向けて、喫煙所の整備にも力を入れています。市が設置する喫煙所に加えて、民間事業者が喫煙所の整備を行う場合に、その設置経費等を補助する「大阪市指定喫煙所設置経費等補助制度」を創設しました。
この制度により、民間事業者による喫煙所の設置が促進され、万博開催時には市内に140カ所以上の喫煙所が確保される見込みです。さらに、万博の開幕までには約300カ所まで増加する予定とのことです。
喫煙所の整備には多額の費用がかかります。例えば、大阪市北区の堂島公園に設置された閉鎖型の喫煙所は、基礎工事と喫煙室の費用で約1,400万円かかったとされています。このような高額な設備投資を民間事業者が単独で行うのは難しいため、補助金制度は非常に重要な役割を果たしています。
万博会場周辺での喫煙対策
大阪・関西万博の会場周辺、特に夢洲駅周辺でも喫煙対策が強化されています。万博会場へのアクセスの要となる場所だけに、多くの人が行き交うことが予想されます。
夢洲駅周辺の路上喫煙禁止地区指定
大阪メトロ中央線の夢洲駅周辺も、路上喫煙禁止地区に指定されています。万博会場へのメインゲートウェイとなるこのエリアでは、多くの来場者が集中することが予想されるため、受動喫煙防止の観点から喫煙が禁止されています。
駅周辺での喫煙は、混雑時には特に問題となります。狭いスペースに多くの人が集まる状況では、タバコの煙が周囲の人に与える影響は大きくなります。また、吸い殻のポイ捨てなどのマナー違反も発生しやすくなるため、禁止措置は理にかなっていると言えるでしょう。
夢洲駅から万博会場までの動線上でも喫煙は禁止されています。喫煙者は、万博会場の東ゲート付近に設置された喫煙所を利用するか、あるいは市内の指定された喫煙所で喫煙する必要があります。
違反者への罰則
夢洲駅周辺を含む路上喫煙禁止地区での喫煙行為には、1,000円の過料が科せられます。この罰則は、大阪市内全域での路上喫煙禁止と同様のものです。
万博期間中は、取り締まりの強化も予想されます。特に会場周辺では、多くの警備員や係員が配置されることになるでしょう。違反行為は即座に発見され、過料の支払いを求められる可能性が高いです。
また、罰則だけでなく、周囲の目も気になるところです。国際的なイベントである万博では、世界各国から様々な文化背景を持つ人々が訪れます。日本のマナーや規則に対する評価も、来場者の目に映ることになります。喫煙者は、ルールを守ることで日本の良いイメージを伝える一助となることができるでしょう。
まとめ:万博に向けた喫煙環境の変化
大阪・関西万博の会場内は全面禁煙となっており、喫煙所は会場外の東ゲート付近に2カ所のみ設置されています。1日最大22万人の来場者に対して収容人数約400人の喫煙所は明らかに不足しており、「喫煙所難民」の発生が懸念されています。
また、万博の開催に合わせて大阪市内全域で路上喫煙が禁止されるなど、喫煙環境は大きく変化しています。これは、万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」に沿った取り組みであり、健康で持続可能な社会を目指す一環と言えるでしょう。
喫煙者の方は、万博訪問時には喫煙場所の確認や時間の余裕を持った行動計画が必要です。また、非喫煙者の方も、これらの取り組みによって、より快適に万博を楽しむことができるでしょう。万博を訪れる全ての人が気持ちよく過ごせる環境づくりに、一人ひとりの協力が求められています。