JR西日本、新大阪駅とJR難波駅に警備ロボット「SQ-2」導入開始!鉄道駅構内初の本格運用

JR西日本が新大阪駅とJR難波駅に警備ロボット「SQ-2」を導入しました。2025年大阪・関西万博に向けて、多くの来場者が見込まれる中、駅構内の警備体制強化を図る取り組みです。鉄道駅構内での警備ロボットの本格導入は今回が初めてとなります。新大阪駅では3月下旬から、JR難波駅では4月中旬から運用が始まっています。
警備ロボット「SQ-2」とは

自律移動型警備ロボットの特徴
SQ-2は、SEQSENSE社が開発した自律移動型の警備ロボットです。3次元センサー技術や自己位置推定アルゴリズム、リアルタイム経路計画アルゴリズムなど、高度なテクノロジーを駆使して生まれました。人手不足が深刻な警備業界において、人に代わって、あるいは人と協力して警備業務を行うことができます。
SQ-2は自分で考えて動くロボットです。決められた場所を巡回したり、指定された場所に立って周囲を見張ったりすることができます。まるで警備員のように駅構内を移動し、安全を見守ります。
独自の3D LiDARセンサー技術
SQ-2の心臓部とも言えるのが、独自開発された3D LiDARセンサーです。このセンサーにより、警備対象となる場所の詳細な3次元マッピングが可能になりました。歩行者などの動く物体を検知したり、環境の変化を察知したりすることもできます。
高い位置から周囲を見渡せるこのセンサーのおかげで、大規模な環境でも柔軟かつ安全に自律移動することができます。さらに、クラウドシステムと連携することで、警備拠点から遠隔で様々な警備業務を行うことも可能です。
JR西日本の駅構内での導入計画
新大阪駅と難波駅への設置スケジュール
JR西日本は新大阪駅に3月下旬から、JR難波駅には4月中旬からSQ-2の導入を開始しました。導入に先立ち、昨年12月から約1か月間、JR西日本本社ビルにて実証実験を行い、警備強化の有効性や安全性を確認しています。
この導入は、2025年に開催される大阪・関西万博に向けた準備の一環です。万博期間中は多くの来場者が両駅を利用することが予想されるため、安全で快適な駅環境を提供するための取り組みと言えるでしょう。
鉄道駅構内での初の本格導入事例
SQ-2は2019年の導入開始以来、日本全国のさまざまな場所で警備業務に活用されてきましたが、鉄道駅構内での本格導入は今回が初めてです。この先駆的な取り組みは、今後の駅警備のあり方に大きな影響を与える可能性があります。
「SQ-2」が担う警備業務
自律巡回機能と定時巡回
SQ-2は係員の操作による臨時巡回や、スケジュール設定に基づく定時巡回に対応しています。指定されたポイントを自律的に移動し、巡回が完了すると自動で充電ステーションに帰還して充電を行います。深夜時間帯の巡回も可能です。
巡回中はカメラで撮影した映像をリアルタイムで配信し、巡回ポイントごとに写真を撮影してクラウドシステムに保存します。これにより、巡回完了後に異常がなかったかを確認することができます。
立哨業務と音声アナウンス機能
混雑時には、SQ-2が立哨(りっしょう)を行います。特定の場所に立って周囲を監視する業務です。360度パノラマカメラの映像は警備拠点のモニターに表示され、リアルタイムで監視エリアを確認できます。
SQ-2には、事前に設定した音声アナウンスを再生する「声かけ再生」機能が搭載されています。立哨中にこの機能を活用することで、駅構内での迷惑行為や禁止行為の抑止など、警備の強化を図ります。
カメラによる動画監視システム
SQ-2は高解像度カメラや360度カメラ(3つの魚眼レンズ付き)、マイク、スピーカーを搭載しています。オペレーターはロボットを遠隔で監視し、ロボットを通じてコミュニケーションを取ることができます。
監視カメラでは死角になりがちな場所も、SQ-2ならエレベーターを使って建物全体を巡回できるため、警備の死角を減らすことができます。また、物理的なロボットの存在自体が、万引きなどの犯罪抑止にも役立ちます。
大阪・関西万博に向けたセキュリティ強化
警備体制強化の背景
2025年に開催される大阪・関西万博では、国内外から多くの来場者が訪れることが予想されます。特に新大阪駅とJR難波駅は主要な交通拠点となるため、安全確保が重要な課題です。
JR西日本はこうした状況を見据え、人による警備だけでなく、最新技術を活用した警備体制の強化に取り組んでいます。SQ-2の導入はその一環であり、効率的かつ効果的な警備を実現することが期待されています。
他のセキュリティ対策との連携
SQ-2による警備は、既存の監視カメラや警備員による警備と連携して行われます。大阪メトロでは顔認証による支払いゲートなど、他の交通機関でも技術を活用したセキュリティ対策が進んでいます。
こうした多層的なセキュリティ対策により、万博期間中も安全で快適な駅環境を維持することが目指されています。
「SQ-2」の技術仕様
主要スペックと機能
SQ-2は1回の充電で最大6時間稼働し、1.5時間の充電で再び活動できます。充電が必要になると自動的に充電ステーションに戻る機能も備えています。
ソフトウェアはオープンソースのソフトウェアをベースにしており、高度な調整やカスタマイズが可能です。また、接続されたクラウドシステムにより、インターネットを利用した警備業務やロボット運用管理アプリケーションの構築が可能です。
SEQSENSEと JR西日本の今後の取り組み
警備強化とサービス向上への共同取り組み
SEQSENSEとJR西日本は、巡回・立哨業務への導入だけでなく、ロボットを活用した警備強化や安全性・サービスの向上に向けて、共同で取り組みを行う予定です。
SQ-2は定期的な遠隔アップデートにより、新機能の実装や不具合解消を行うため、常に最新の状態で利用できます。今後は現場からの要望を取り入れ、警備業務をサポートする認識機能などを積極的に提供していくことが計画されています。
まとめ
JR西日本による警備ロボット「SQ-2」の導入は、鉄道駅構内での初めての本格的な取り組みです。2025年の大阪・関西万博に向けて、新大阪駅とJR難波駅での警備体制が強化されます。最新技術を駆使したSQ-2の活躍により、人手不足の解消と警備品質の向上が期待されています。今後も技術の進化とともに、より安全で快適な駅環境づくりが進められるでしょう。
引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000036.000025363.html