【世界初】コカ・コーラ ボトラーズジャパン、大阪・関西万博に水素カートリッジ式発電自販機を設置

コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社は2025年3月18日、大阪・関西万博会場内に「水素カートリッジ式発電自販機」を設置しました。富士電機株式会社と共同開発したこの自販機は、世界で初めて実用化された水素カートリッジを使用した自動販売機です。約1ヶ月後に迫った万博の開幕に向けて、同日設置式も開催されました。
世界初の水素カートリッジ式発電自販機とは

環境に配慮した次世代型自動販売機
この水素カートリッジ式発電自販機は、自動販売機本体と発電機から構成されています。通常の自販機と異なり、電源コンセントが不要で自家発電する仕組みを持っています。発電機に水素カートリッジを装填し、そこから取り出される水素を利用して電気を生み出します。
設置場所は大阪・関西万博会場内の大屋根リング北側エスカレーター付近。4月13日から10月13日までの万博期間中、来場者は実際にこの革新的な自販機を体験することができます。
水素と酸素の化学反応で発電する仕組み
この自販機の心臓部は燃料電池です。発電機内で水素と空気中の酸素を化学反応させることで電気を生成します。生成された電気はバッテリーに蓄電され、そこから自動販売機本体へ送電されることで稼働します。
発電の仕組みを来場者にも分かりやすく伝えるため、発電機には仕組みを案内するディスプレイも搭載されています。これにより、万博を訪れる人々は「未来の自動販売機」の技術を視覚的に理解することができるでしょう。
大阪・関西万博での設置式
3月18日に行われた設置式の概要
3月18日に開催された設置式では、コカ・コーラ ボトラーズジャパンの藤原義樹執行役員ビジネスデベロップメント統括本部長が挨拶を行いました。藤原氏は「大阪・関西万博はSDGsがテーマのひとつ。富士電機と共同開発した世界初の水素カートリッジ式発電自販機は、稼働時のCO2排出がなく、消費電力自体も従来の半分。実用化にはまだ課題があるが、パイロット機1台を会場に設置する」と説明しました。
また、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会の河本健一企画局長も出席し、「未来の水素社会を体験できる」と期待を寄せました。
報道陣に披露された自販機の特徴
設置式では、自販機と水素カートリッジがセットされた発電機の内部が報道陣に公開されました。カートリッジは18本セットされており、気候や使用状況にもよりますが、1日あたり約3本程度を消費する見込みです。商品補填の際にカートリッジも交換する運用方法が採られます。
水素カートリッジ式発電自販機の特長
コンセント不要の自家発電システム
この自販機の最大の特徴は、電源コンセントが不要な点です。水素カートリッジを使った自家発電システムにより、電源インフラが整っていない場所でも設置が可能になります。これにより、従来は自販機の設置が難しかった場所にも展開できる可能性が広がります。
CO2排出ゼロの環境性能
稼働時にCO2を排出しないという環境性能も大きな特長です。さらに、消費電力量も通常の自販機と比べて49%削減されています。コカ・コーラ ボトラーズジャパンと富士電機は、2050年のカーボンニュートラルの実現を目指しており、この自販機はその取り組みの一環として開発されました。
天候や設置場所を選ばない利便性
太陽光発電のような天候の影響を受けにくく、設置場所の制限も少ないという利点があります。少ないスペースで運用できることから、自動販売機の動力源として水素エネルギーは親和性が高いと考えられています。
開発背景と環境への取り組み
2050年カーボンニュートラル実現への貢献
コカ・コーラ ボトラーズジャパンと富士電機は、CO2排出量削減に取り組む中で、新たなエネルギーとして期待が高まる水素を動力源とした自動販売機を開発しました。この取り組みは、2050年カーボンニュートラル実現への貢献を目指すものです。
コカ・コーラと富士電機の共同開発プロジェクト
両社は環境に配慮した自動販売機の開発を通して、脱炭素社会の実現に貢献することを目指しています。今回の水素カートリッジ式発電自販機は、その取り組みの象徴的な成果と言えるでしょう。
大阪・関西万博での展示意義
「未来社会の実験場」としての位置づけ
大阪・関西万博は「未来社会の実験場」として、国内外の先端技術が集結する場です。この場に水素カートリッジ式発電自販機を設置することで、多くの来場者に持続可能な社会の可能性を示すことができます。
来場者が体験できる「未来の自動販売機」
万博期間中、約2,800万人を超える来場者が見込まれています。コカ・コーラ ボトラーズジャパンは「1人でも多くの方に見て、触って、使っていただきたい」と期待を寄せています。来場者は実際に自販機を利用することで、未来のエネルギー技術を体感できるでしょう。
今後の展望と課題
水素供給インフラの整備
今後の課題としては、水素を供給するインフラの整備が挙げられます。現状では水素の調達コストが高いという問題もあり、普及に向けてはインフラ整備が必要です。
コスト面での課題と実用化への道のり
商用化に向けては、機材の小型化・一体化も課題となっています。コカ・コーラ ボトラーズジャパンは「技術の普及には時間がかかるが、万博会場への設置は次世代型バリューチェーンを探る試みのひとつ。カートリッジの扱いや効率性をこの万博で検証し、未来へつなげていきたい」としています。
まとめ
コカ・コーラ ボトラーズジャパンと富士電機が共同開発した世界初の水素カートリッジ式発電自販機は、環境に配慮した次世代型の自動販売機として注目されています。大阪・関西万博という「未来社会の実験場」での実証を通じて、持続可能な社会の実現に向けた一歩となることが期待されています。
引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000246.000053655.html