初心者におすすめの通貨ペアとその理由｜まずはドル円から？

FXを始めようと思ったとき、どの通貨ペアから取引すればいいのか迷ってしまいますよね。通貨ペアの種類は数十種類もあり、それぞれに特徴があります。初心者にとって最適な通貨ペアはどれなのでしょうか。実は、多くのトレーダーが「まずは米ドル/円から始めるべき」と口を揃えています。2025年3月の調査では、初心者におすすめの通貨ペアとして「米ドル/円」が90.5%という圧倒的な支持を集めました。

この記事では、FX初心者が通貨ペアを選ぶ際のポイントや、おすすめの通貨ペア、そしてなぜ米ドル/円が初心者に最適なのかを詳しく解説します。通貨ペアの基本から、取引を始める具体的なステップまで、わかりやすくお伝えします。これからFXを始める方は、ぜひ参考にしてください。

FXの通貨ペアって何？基本から理解しよう

FXを始める前に、まずは通貨ペアの基本を理解しておきましょう。通貨ペアとは何か、なぜ通貨ペア選びが大切なのか、そしてFXの基礎知識について説明します。

通貨ペアとは何か？簡単に説明します

通貨ペアとは、2つの国の通貨を組み合わせたものです。例えば「米ドル/円」は、アメリカの通貨（米ドル）と日本の通貨（円）の組み合わせを表しています。FXでは、この2つの通貨の間の価値の変動から利益を得ることを目指します。

通貨ペアは「USD/JPY」（米ドル/円）のように表記され、左側の通貨を「基軸通貨」、右側を「決済通貨」と呼びます。「米ドル/円を買う」という表現は、米ドルを買って円を売るという意味であり、反対に「米ドル/円を売る」とは米ドルを売って円を買うという意味です。この基本的な仕組みを理解することが、FX取引の第一歩となります。

なぜ通貨ペア選びが大切なの？

通貨ペア選びは、FX取引の成功に大きく影響します。なぜなら、通貨ペアによって値動きの特徴やスプレッド（取引コスト）、情報の入手しやすさなどが大きく異なるからです。

初心者にとって扱いやすい通貨ペアを選ぶことで、学習効率が上がり、大きな損失を避けることができます。反対に、値動きが激しすぎる通貨ペアや情報が少ない通貨ペアを選んでしまうと、予想外の損失を被ったり、適切な判断ができなかったりする可能性が高まります。通貨ペア選びは、FX取引の入口として非常に重要なステップなのです。

FXを始める前に知っておきたい基礎知識

FXを始める前に、いくつかの基礎知識を押さえておきましょう。まず、FXは「Foreign Exchange（外国為替）」の略で、異なる国の通貨を売買する取引です。取引は24時間行われており、世界中の市場が連動しています。

FX取引では「レバレッジ」という仕組みを使うことができ、少額の資金で大きな取引ができる反面、リスクも大きくなります。また、「スプレッド」と呼ばれる売値と買値の差が取引コストとなります。

FXでは、経済指標の発表や政治情勢、金利政策などが為替レートに影響を与えます。こうした情報を収集・分析する力も、成功するためには必要です。基礎知識をしっかり身につけてから取引を始めることで、リスクを抑えながら取引できるようになります。

通貨ペアを選ぶときのポイント

FXで通貨ペアを選ぶ際には、いくつかの重要なポイントがあります。ここでは、取引量、スプレッド、値動きの特徴、情報の入手しやすさという4つの観点から解説します。

取引量の多さが重要な理由

取引量の多い通貨ペアを選ぶことは、初心者にとって特に重要です。取引量が多いということは、その通貨ペアの「流動性」が高いことを意味します。流動性が高ければ、売買したいときにスムーズに取引できる可能性が高まります。

2025年4月の調査によると、日本のFX市場では米ドル/円の取引量が圧倒的に多く、全体の約90%を占めています。次いでユーロ/円、ポンド/円、豪ドル/円などが続きます。取引量が多い通貨ペアは、一般的に値動きが安定しており、急激な価格変動が起こりにくいという特徴があります。

初心者が取引を始める際には、こうした取引量の多いメジャーな通貨ペアから選ぶことで、予想外の値動きによる大きな損失を避けることができます。安定した環境で取引の基本を学ぶことができるのです。

スプレッドの狭さで取引コストが変わる

スプレッドとは、通貨の売値（BID）と買値（ASK）の差のことで、FX取引における実質的なコストとなります。スプレッドは通貨ペアによって異なり、一般的に取引量の多い通貨ペアほどスプレッドが狭い傾向があります。

例えば、米ドル/円のスプレッドは多くのFX会社で0.4銭程度と非常に狭く設定されています。一方、マイナー通貨ペアではスプレッドが広くなり、取引コストが高くなります。スプレッドが広いと、利益を出すためにより大きな値動きが必要になるため、初心者には不利になりがちです。

取引を繰り返すほどスプレッドの影響は大きくなるため、特に頻繁に取引する予定がある場合は、スプレッドの狭い通貨ペアを選ぶことが重要です。FX会社によってスプレッドの設定は異なるので、複数の会社を比較検討することもおすすめします。

値動きの特徴を知ろう

通貨ペアには、それぞれ特徴的な値動きのパターンがあります。この特徴は「ボラティリティ」と呼ばれ、価格変動の大きさを表します。ボラティリティが高い通貨ペアは値動きが大きく、短期間で大きな利益を狙えますが、その分リスクも高くなります。

米ドル/円は比較的ボラティリティが穏やかで、1日の値動きが50〜300pips程度と安定しています。一方、ポンド/円などは値動きが大きく、初心者には扱いが難しい場合があります。2025年の最新データによると、米ドル/円の1日あたりの値動きは50.4pips〜337.3pipsの範囲内であることが多いようです。

初心者は、まず値動きが穏やかな通貨ペアで取引の基本を学び、徐々に値動きの大きな通貨ペアにチャレンジしていくのが良いでしょう。自分の取引スタイルや許容できるリスクに合わせて、適切な通貨ペアを選ぶことが大切です。

情報の入手しやすさも大事なポイント

FX取引で成功するためには、その通貨に関する情報をタイムリーに入手できることが重要です。情報が豊富な通貨ペアほど、相場の動きを予測しやすくなります。

日本人トレーダーにとっては、日本円が絡む通貨ペア、特に米ドル/円は日本のニュースやメディアで頻繁に取り上げられるため、情報を得やすいという大きなメリットがあります。アメリカの経済指標や政策も日本語で広く報道されるため、初心者でも情報収集がしやすいのです。

また、インターネット上には米ドル/円に関する分析レポートや予想記事が豊富にあり、学習材料として活用できます。情報が少ないマイナー通貨ペアでは、相場の動きを予測するための材料が限られてしまうため、初心者には不向きと言えるでしょう。情報の入手しやすさは、特に取引初期の段階では非常に重要な要素です。

初心者におすすめの通貨ペア3選

FX初心者が最初に取り組むべき通貨ペアについて、おすすめの3つを紹介します。それぞれの特徴や初心者におすすめする理由を詳しく解説します。

第1位：米ドル/円 – 初心者が最初に触れるべき理由

米ドル/円は、FX初心者に最もおすすめの通貨ペアです。2025年4月の調査では、初心者におすすめの通貨ペアとして89.4%もの人が米ドル/円を選んでいます。この圧倒的な支持には理由があります。

米ドル/円は日本のFX市場で最も取引量が多く、流動性が高いため、急激な価格変動が起こりにくいという特徴があります。また、スプレッドも非常に狭く設定されており、取引コストを抑えられます。多くのFX会社では米ドル/円のスプレッドを0.4銭程度と最も狭く設定しています。

さらに、日本人にとっては円が関わっているため、為替レートの感覚をつかみやすいというメリットもあります。例えば「1ドル=150円」という表示を見たとき、その価値を実感しやすいのです。初めてFXを学ぶ人にとって、この感覚的な理解のしやすさは非常に重要です。

第2位：ユーロ/米ドル – 世界で最も取引される通貨ペア

ユーロ/米ドルは、世界のFX市場で最も取引量の多い通貨ペアです。2022年の調査によると、世界のFX取引の約22.7%を占めており、その流動性の高さは群を抜いています。

ユーロ/米ドルの特徴は、比較的安定した値動きにあります。1日あたりの値動きは27.0pips〜169.0pips程度と、米ドル/円よりもさらに穏やかな傾向があります。また、多くのFX会社ではスプレッドも0.7pips程度と狭く設定されており、取引コストも抑えられます。

ユーロ/米ドルは、米ドル/円に慣れてきた初心者が次にステップアップするのに適した通貨ペアと言えるでしょう。ただし、日本人にとっては円が絡まないため、価値感覚をつかみにくい面もあります。米ドル/円である程度の経験を積んでから挑戦することをおすすめします。

第3位：ユーロ/円 – 適度な値動きで学びやすい

ユーロ/円は、日本のFX市場でも人気の高い通貨ペアの一つです。2025年の調査では、よく取引する通貨ペアとして23.8%の人がユーロ/円を挙げています。

ユーロ/円の特徴は、米ドル/円よりもやや値動きが大きく、適度なボラティリティがあることです。そのため、米ドル/円に慣れてきた初心者が次のステップとして取り組むのに適しています。スプレッドも多くのFX会社で0.9銭程度と比較的狭く設定されており、取引コストも許容範囲内です。

また、ユーロ/円は円が絡む通貨ペアなので、日本人にとっては価値感覚をつかみやすいというメリットがあります。ユーロ圏の経済ニュースも日本語で比較的入手しやすく、情報収集の面でも初心者に優しい通貨ペアと言えるでしょう。米ドル/円での取引に慣れてきたら、次はユーロ/円に挑戦してみることをおすすめします。

米ドル/円が初心者に最適な理由を詳しく解説

米ドル/円がなぜ初心者に最適なのか、その理由を詳しく解説します。取引量の多さ、情報収集のしやすさ、適度な値動き、スプレッドの狭さという4つの観点から見ていきましょう。

取引量が多く安定している

米ドル/円は、日本のFX市場で最も取引量の多い通貨ペアです。2025年4月の調査では、トレーダーの約90%が米ドル/円を取引していると回答しています。この圧倒的な取引量の多さは、米ドル/円の大きな魅力の一つです。

取引量が多いということは、多くの市場参加者がいるということであり、それだけ市場の流動性が高いことを意味します。流動性が高ければ、売買したいときにスムーズに取引できる可能性が高まります。また、取引量が多いと、一部の大口取引による価格操作の影響も受けにくくなります。

さらに、取引量の多さは価格の安定性にもつながります。多くの取引が行われることで価格形成が安定し、急激な価格変動が起こりにくくなるのです。初心者にとって、こうした安定した環境で取引の基本を学べることは非常に大きなメリットと言えるでしょう。

日本人にとって情報を集めやすい

米ドル/円は、日本人トレーダーにとって情報収集がしやすいという大きなメリットがあります。日本の経済ニュースでは、ドル円相場が毎日のように報道されており、為替レートの動向やその背景となる経済情報を日本語で簡単に入手できます。

また、アメリカは世界最大の経済大国であり、その経済指標や政策は世界中で注目されています。そのため、アメリカの経済情報も日本語のメディアで広く報道されており、情報収集のハードルが低いのです。

さらに、インターネット上には米ドル/円に関する分析レポートや予想記事が豊富にあり、学習材料として活用できます。FX会社のウェブサイトやアプリでも、米ドル/円に関する情報が充実しています。初心者にとって、こうした情報の豊富さは非常に重要な要素です。情報が少ないマイナー通貨ペアでは、相場の動きを予測するための材料が限られてしまうため、初心者には不向きと言えるでしょう。

適度な値動きで練習に最適

米ドル/円は、初心者の練習に最適な適度な値動きを持っています。2025年の最新データによると、米ドル/円の1日あたりの値動きは50.4pips〜337.3pipsの範囲内であることが多いようです。

この程度の値動きは、初心者にとって丁度良いと言えます。あまりに値動きが小さすぎると、利益を出すのが難しく、モチベーションの維持が難しくなります。逆に、値動きが大きすぎると、予想外の大きな損失を被るリスクが高まります。米ドル/円は、その中間的な値動きを持っており、初心者が取引の感覚をつかむのに適しています。

また、米ドル/円は比較的トレンドが形成されやすい通貨ペアでもあります。相場の方向性が見えやすいため、初心者でもトレンドに沿った取引がしやすいという特徴があります。テクニカル分析の練習にも適しており、チャートパターンやインジケーターの効果を実感しやすい通貨ペアと言えるでしょう。

スプレッドが狭く初心者に優しい

米ドル/円は、多くのFX会社でスプレッドが最も狭く設定されている通貨ペアです。2025年の最新データによると、主要なFX会社では米ドル/円のスプレッドを0.4銭程度に設定しています。これは他の通貨ペアと比較しても非常に狭い水準です。

スプレッドが狭いということは、取引コストが低いということを意味します。FXでは、取引のたびにスプレッド分のコストがかかるため、スプレッドの狭さは利益を出すための重要な要素となります。特に、頻繁に取引を行う場合や、小さな値動きで利益を狙う短期取引の場合は、スプレッドの影響が大きくなります。

初心者にとっては、取引コストが低いことで、少ない値動きでも利益を出せる可能性が高まります。また、取引の練習を繰り返し行う際にも、コストを抑えられるというメリットがあります。米ドル/円のスプレッドの狭さは、初心者が安心して取引の練習を行うための重要な要素と言えるでしょう。

初心者が避けた方がいい通貨ペア

FX初心者が避けた方がいい通貨ペアについて、その特徴やリスク、注意点を解説します。値動きが激しすぎる通貨ペア、流動性の低い通貨ペア、マイナー通貨を扱う際の注意点について見ていきましょう。

値動きが激しすぎる通貨ペアの特徴

値動きが激しすぎる通貨ペアは、初心者にとって大きなリスクとなります。例えば、ポンド/円は米ドル/円と比較して値動きが大きく、短時間で大きく価格が変動することがあります。2025年の調査でも、初心者におすすめの通貨ペアとしてポンド/円を挙げる人はわずかでした。

値動きが激しい通貨ペアの特徴として、経済指標の発表時に大きく跳ねる傾向があります。例えば、イギリスの重要な経済指標発表時にはポンド/円が数十pips単位で急変動することもあります。こうした急激な変動は、初心者にとって対応が難しく、予想外の大きな損失につながる可能性があります。

また、政治的なイベントや国際情勢の変化に敏感に反応する通貨ペアも、値動きが不安定になりがちです。例えば、Brexit（イギリスのEU離脱）の際には、ポンド関連の通貨ペアが大きく変動しました。初心者は、こうした値動きの激しい通貨ペアは、ある程度の経験を積んでから取り組むことをおすすめします。

流動性の低い通貨ペアのリスク

流動性の低い通貨ペアは、取引量が少なく、売買が成立しにくいという特徴があります。例えば、南アフリカランド/円やトルコリラ/円などの通貨ペアは、メジャー通貨ペアと比較して流動性が低い傾向があります。

流動性の低い通貨ペアのリスクとして、スプレッドが広いことが挙げられます。取引量が少ないため、FX会社は広めのスプレッドを設定することが多く、取引コストが高くなります。2025年の最新データによると、南アフリカランド/円のスプレッドは1.4銭程度と、米ドル/円の3倍以上になっています。

また、流動性の低さは、急激な価格変動のリスクも高めます。取引参加者が少ないため、一部の大口取引の影響を受けやすく、予想外の価格変動が起こりやすいのです。さらに、市場が薄い時間帯（深夜や早朝など）には特に流動性が低下し、リスクが高まります。初心者は、こうした流動性の低い通貨ペアは避け、まずは流動性の高いメジャー通貨ペアから取引を始めることをおすすめします。

マイナー通貨を扱うときの注意点

マイナー通貨とは、取引量が少なく、世界的な知名度も低い通貨のことを指します。例えば、メキシコペソ、トルコリラ、南アフリカランドなどが該当します。これらの通貨を扱う際には、いくつかの注意点があります。

まず、マイナー通貨は情報収集が難しいという特徴があります。日本語のメディアでは、こうした通貨に関する情報はあまり報道されず、相場の動向を把握するのが難しくなります。また、経済指標の発表スケジュールなども把握しにくく、予想外の価格変動に巻き込まれるリスクが高まります。

次に、マイナー通貨は政治リスクや経済リスクが高い傾向があります。新興国の通貨が多く、政治的な不安定さや経済政策の急変などによって、為替レートが大きく変動することがあります。例えば、トルコリラは過去に政治的な混乱によって大幅に下落した経験があります。

さらに、マイナー通貨は金利が高い傾向があり、スワップポイント（金利差から生じる損益）が大きくなることがあります。これは一見魅力的に見えますが、高金利の背景には高いリスクがあることを理解しておく必要があります。初心者は、こうしたマイナー通貨の特性を十分に理解してから取引を検討することをおすすめします。

通貨ペアの特徴を生かした取引方法

通貨ペアの特徴を理解し、それを生かした取引方法について解説します。時間帯による値動きの特徴、経済指標の発表に合わせた取引のコツ、自分の生活リズムに合った通貨ペア選びについて見ていきましょう。

時間帯によって変わる値動きの特徴

FX市場は24時間取引が可能ですが、時間帯によって値動きの特徴が大きく変わります。この特徴を理解し、自分の取引スタイルに合った時間帯を選ぶことが重要です。

東京市場（日本時間9:00〜17:00頃）は、アジア通貨の取引が活発になる時間帯です。米ドル/円やユーロ/円などの円絡みの通貨ペアは、この時間帯に日本の機関投資家や企業の取引が増えるため、一定の値動きが見られます。ただし、欧米市場と比較すると値動きは穏やかな傾向があります。

ロンドン市場（日本時間16:00〜24:00頃）は、世界最大の外国為替市場であり、最も取引量が多い時間帯です。特にユーロ/米ドルやポンド/米ドルなどの欧州通貨の値動きが活発になります。また、東京市場との重複時間（日本時間16:00〜17:00頃）は、取引量が増えるため値動きが大きくなることがあります。

ニューヨーク市場（日本時間21:00〜翌6:00頃）は、米ドル絡みの通貨ペアの値動きが活発になる時間帯です。特に重要な米国の経済指標が発表される日本時間22:30頃は、米ドル/円を含む多くの通貨ペアが大きく動くことがあります。

これらの特徴を理解し、自分が取引できる時間帯に値動きが活発になる通貨ペアを選ぶことで、効率的な取引が可能になります。例えば、日中に取引する場合は米ドル/円やユーロ/円、夜間に取引する場合はユーロ/米ドルやポンド/米ドルなどが適しているかもしれません。

経済指標の発表に合わせた取引のコツ

経済指標の発表は、為替市場に大きな影響を与えることがあります。特に雇用統計やGDP、中央銀行の政策金利発表などの重要指標は、発表直後に大きな値動きを引き起こすことがあります。こうした経済指標の発表に合わせた取引には、いくつかのコツがあります。

まず、経済指標の発表スケジュールを事前に確認しておくことが重要です。多くのFX会社や経済情報サイトでは、経済カレンダーを提供しており、重要な指標の発表日時や予想値を確認できます。特に影響力の大きい指標（米国の雇用統計や日銀の金融政策決定会合など）は、必ずチェックしておきましょう。

次に、経済指標の発表直前は、ポジションを持たないか、リスクを抑えた取引を心がけることが大切です。発表直後は価格が大きく変動することが多く、予想と異なる結果が出た場合は、思わぬ損失を被る可能性があります。特に初心者は、経済指標発表の前後はポジションを持たないか、少額の取引にとどめることをおすすめします。

また、経済指標の「予想値」と「結果」の差に注目することも重要です。市場は常に将来を織り込んで動いているため、予想値と実際の結果の差が大きいほど、市場の反応も大きくなる傾向があります。例えば、米国の雇用統計が予想を大きく上回れば、米ドルが買われる可能性が高まります。

経済指標の影響は通貨ペアによって異なります。例えば、米国の経済指標は米ドル/円やユーロ/米ドルに大きな影響を与えますが、ユーロ/ポンドなどには比較的影響が小さいことがあります。自分が取引する通貨ペアに影響を与える経済指標を重点的にチェックすることで、効率的な取引が可能になります。

自分の生活リズムに合った通貨ペア選び

FX取引を長続きさせるためには、自分の生活リズムに合った通貨ペアを選ぶことが重要です。仕事や学校、家庭の事情など、それぞれの生活スタイルに合わせた取引プランを立てることで、無理なく継続できる環境を作りましょう。

日中に時間が取れる場合は、東京市場が活発な時間帯（日本時間9:00〜17:00頃）に値動きがある通貨ペアが適しています。米ドル/円やユーロ/円、豪ドル/円などの円絡みの通貨ペアは、この時間帯でも一定の値動きが期待できます。特に経済指標の発表日や日銀の金融政策決定会合の日などは、日中でも大きな値動きが見られることがあります。

夜間に時間が取れる場合は、ロンドン市場やニューヨーク市場が活発な時間帯（日本時間16:00〜翌6:00頃）に値動きが大きくなる通貨ペアが適しています。ユーロ/米ドルやポンド/米ドル、ユーロ/ポンドなどの欧米通貨ペアは、この時間帯に取引量が増え、値動きも活発になります。また、米ドル/円も米国の経済指標発表時には大きく動くことがあります。

週末しか時間が取れない場合は、週明けの値動きを狙った取引が考えられます。週末に重要なニュースがあった場合、月曜日の東京市場オープン時（日本時間7:00頃）に大きなギャップ（価格の飛び）が発生することがあります。ただし、ギャップが発生した場合は価格が急変動するリスクもあるため、注意が必要です。

自分の生活リズムに合った通貨ペアと取引時間を選ぶことで、無理なく継続的な取引が可能になります。また、常に市場を監視する必要はなく、自分が取引できる時間帯に集中することで、効率的な取引が可能になります。自分のライフスタイルに合わせた無理のない取引プランを立てることが、長期的な成功への鍵となるでしょう。

実際に始めるときの具体的なステップ

FX取引を実際に始める際の具体的なステップについて解説します。少額から始める重要性、デモ取引での練習方法、取引記録をつけて上達する方法について見ていきましょう。

少額から始める重要性

FX取引を始める際には、少額から始めることが非常に重要です。初心者がいきなり大きな金額で取引を始めると、大きな損失を被るリスクが高まります。まずは少額で取引の感覚をつかみ、徐々に資金を増やしていくことをおすすめします。

具体的には、最初は1万円程度の少額から始めることが理想的です。多くのFX会社では1,000通貨単位からの取引が可能なため、1万円あれば十分に取引を始められます。例えば、米ドル/円で1,000通貨の取引をする場合、必要な証拠金は約1,500円程度（レバレッジ25倍の場合）です。

少額から始めることのメリットは、心理的な負担が少ないことです。大きな金額で取引すると、損失への恐怖から冷静な判断ができなくなることがあります。少額であれば、「勉強代」と割り切って、冷静に取引の経験を積むことができます。

また、少額から始めることで、リスク管理の重要性も実感できます。FXでは、資金管理（マネーマネジメント）が非常に重要です。1回の取引で証拠金の何%までリスクを取るか、損切りラインをどこに設定するかなど、リスク管理の基本を少額取引で学ぶことができます。少額での経験を積み、自分なりの取引ルールを確立してから、徐々に取引金額を増やしていくことをおすすめします。

デモ取引で練習してみよう

実際の資金を使う前に、デモ取引（バーチャル取引）で練習することをおすすめします。デモ取引とは、仮想の資金を使って実際の市場と同じ環境で取引を体験できるシステムです。多くのFX会社が無料でデモ取引のサービスを提供しています。

デモ取引のメリットは、リスクなしで取引の基本を学べることです。注文の出し方、チャートの見方、テクニカル指標の使い方など、FX取引の基本的な操作を実際の相場環境で練習できます。また、自分の取引戦略が実際にどの程度の成績を残せるかを、リスクなしで検証することもできます。

デモ取引では、まず基本的な注文方法（成行注文、指値注文、逆指値注文など）を練習しましょう。次に、チャートの時間軸を変更したり、テクニカル指標を表示したりする操作を覚えます。そして、実際に取引を行い、エントリーポイント（取引を始めるタイミング）や決済ポイント（取引を終えるタイミング）の判断を練習します。

ただし、デモ取引には実際の資金を使わないため、心理的なプレッシャーがないという限界もあります。実際の取引では、損失への恐怖や利益への欲望など、さまざまな感情が判断に影響します。デモ取引である程度の自信がついたら、少額の実取引に移行し、実際の市場での経験を積むことをおすすめします。デモ取引は1〜3ヶ月程度続け、基本的な操作と取引の流れを十分に理解してから実取引に移るのが良いでしょう。

取引記録をつけて上達する方法

FX取引で上達するためには、取引記録をつけることが非常に重要です。取引記録とは、自分の取引の詳細（エントリー理由、決済理由、結果など）を記録したものです。これを継続的につけることで、自分の取引パターンや課題が見えてきます。

取引記録には、以下のような項目を含めると良いでしょう：

• 取引日時
• 通貨ペア
• 取引方向（買い/売り）
• 取引数量
• エントリー価格と決済価格
• 損益（pips、金額）
• エントリー理由（どのような分析や判断でエントリーしたか）
• 決済理由（どのような理由で決済したか）
• 取引時の相場状況（トレンド、レンジなど）
• 取引後の反省点や気づき

取引記録は、エクセルやノートなど、自分が使いやすい形式で構いません。重要なのは、継続的につけることと、定期的に振り返ることです。例えば、週末に1週間の取引を振り返り、成功した取引と失敗した取引のパターンを分析します。

取引記録の分析から、自分の得意な相場環境や通貨ペア、時間帯などが見えてきます。例えば、「トレンド相場では利益が出やすいが、レンジ相場では損失が多い」「朝の時間帯の取引は成功率が高いが、夜の取引は成功率が低い」といった傾向が分かれば、それに合わせて取引戦略を調整できます。

また、取引記録は感情的な取引を防ぐ効果もあります。記録をつけることで、「なぜこの取引をするのか」を明確にする習慣がつき、衝動的な取引を避けられるようになります。取引前に「この取引の理由は何か？」と自問し、明確な理由がなければ取引を見送るという判断ができるようになります。

取引記録は、FXの上達に欠かせないツールです。面倒に感じるかもしれませんが、継続的につけることで、自分の取引の質が向上し、長期的な成績の改善につながります。特に初心者のうちは、すべての取引の記録をつけることをおすすめします。

まとめ：まずは米ドル/円から始めてみよう

FX初心者におすすめの通貨ペアについて詳しく解説してきました。最後に、これまでの内容をまとめ、初心者の第一歩としての米ドル/円、経験を積んだ後に挑戦したい通貨ペア、そして長く続けるための心構えについて触れます。

FX初心者が最初に取り組むべき通貨ペアは、圧倒的に米ドル/円がおすすめです。取引量が多く安定していること、日本人にとって情報収集がしやすいこと、適度な値動きで練習に最適なこと、スプレッドが狭く初心者に優しいことなど、多くのメリットがあります。2025年の調査でも、初心者におすすめの通貨ペアとして約90%の人が米ドル/円を選んでいます。まずは米ドル/円で基本的な取引の感覚をつかみ、FXの仕組みを理解することが大切です。

ある程度経験を積んだら、次はユーロ/米ドルやユーロ/円などの通貨ペアに挑戦してみるのも良いでしょう。これらの通貨ペアも取引量が多く、スプレッドも比較的狭いため、初心者から中級者へのステップアップに適しています。さらに経験を積んだら、ポンド/円や豪ドル/円など、より値動きの大きな通貨ペアにも挑戦できます。

FXを長く続けるためには、無理のない取引プランを立てることが重要です。自分の生活リズムに合った通貨ペアと取引時間を選び、少額から始めて徐々に経験を積んでいきましょう。また、取引記録をつけることで自分の取引パターンや課題を把握し、継続的に改善していくことが大切です。FXは長期的な視点で取り組むことで、より安定した結果を得られるようになります。